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なんですね。たださっき拓郎さんの話ししましたけれども、アーチストも年をとっています。それから消費者の方も同じように年をとっています。ですから、今までみたいにポピュラー音楽イコール若い人だけのものということはちょっと図式がもう崩れていると思うんですね。例えばドラマなんかでも財津和夫さんの歌が流れたり、「ちょっと久し振りだったねこの声は」というような方々の声が流れたりする場合があります。ですから、皆さんもそれを逆につかまえていただければいいと思うんですね。もうツアー活動的なことは余りしていませんけれども、呼ばれれば行きますよという方は結構いらっしゃいますので、そこにどれだけのパッケージをつくって、もしくはネーミングをして、あるいはイメージづくりをしてということを皆さんのご努力でしていただければ、またそのアーチストがよみがえるということは十分に今の日本の音楽状況の中ではあると思います。
例えば北海道1円をぐるっとこのアーチストが回ったことが何か社会性を呼んで、逆に北海道から東京に1つの話題が飛んでくるとか、全国に飛んでいくとか、そういうことも十分に僕は今の状況ではあり得るんじゃないかなと。アーチストの数もふえていますし、幅が広がっていますから、盲点みたいなものも絶対あるわけですね。だからそのどこを、あのアーチストは今何をやっているんだろうと、でも歌声もいいし作品もいいよねというところでぽっとつかまえてきていただくようなことができると、逆に言えば会館のわがままを聞いていただける場合がありますよね、こういう曲目構成でやってくれないかとか、この曲を絶対やってくれないかとか、あるいはこのコンサートのテーマはこうなのであなたを選んだのだと、だからそれを理解して何かコンサートの構成をつくって、逆にオファーをくれないかとか、何かそういったことが決して売れているアーチストだけではなくて、本当に言い方は悪いですけれども、ちょっと旬は過ぎたかもしれないけれども、ネームを持っている方々に対しての申し出の仕方というのは、僕はホールの方々にはたくさんあるのじゃないかなと。それからあとは、例えばそうですね、だれかとだれか全然違う組み合わせの方々を呼んできてコンサートをしていただくとか、そうすると、そこには歌もありますし、会話もあるということで、また1つのバラエティーショーとしておもしろいのじゃないかと思います。
演歌の方々とか歌謡曲の方々というのは非常にそういうところ柔軟性があって、特に放送とかまた違ったものをくっつけると喜んでやっていただけるんですけれども、こっちのニューミュージックというのはわがままな社会なものですから、自分が気に入らないと「うん」と言わないみたいな、非常に皆さんから言うと何様なんだおまえらはというようなところが、これは昔の私の思いですけれども、そういうものがあると思うんです。

 

 

 

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